• テキストサイズ

(R18) kiss hug ❤︎ HQ裏夢

第72章 結婚するまで帰れません(1) 岩泉一


「私と柳瀬さんは違うから。恋ってそういうものだもん」
「お花畑志向なとこ悪いけど、星賀さんにつきましては告白でもなんでもしてさっさ振られてしまえとしか思わんわ、正直言うて」
「いちかちゃん、気持ちは分かるけどそれちょっと言い過ぎ……かもしれない、かな」
「星賀さんやって逆の立場なら本音ではそう思ってるに決まってるやん」
「そんなこと…っ」
「ほな思ってへんのやったら一君は私がもろても文句なしやで」
「でも一は私の事、ずっと好きだったんだよ」
「そんな過去の話や知るかいな。関西人が総出でズッコケそうな的外れなこと言わんといて。勝手に別れ告げといてまだ好きかもしれないとか平気で発言できる女の話なんか一切興味ないから金輪際私の耳に入れんといて!」

いちかちゃんの勢いに俺のつけ入る隙は一切なかった。星賀ちゃんをフォローしなきゃいけないのは分かってたけど俺も岩と星賀ちゃんが別れた理由も知ってるだけにそれはできなかった。これはもう全俺が納得するくらいいちかちゃんの圧倒的勝利。

「最後に言うとくけど全部捨ててきた私に勝てる自信しかないから。私と同じ土俵に上がる気ないならさっさと諦めて。ほな、さいなら!」

いちかちゃんは聞く耳を持たずそれだけ言い終えると背を向けて逃げるように走り出す。

「え、待って。私、まだ話終わってないんだけど」
「星賀ちゃん、今回は諦めた方がいいよ。俺もフォローしたかったけどできなかったし」
「松川君も柳瀬さんの味方するの?」
「味方するんなら俺は岩の味方だよ」
「私が一方的に振ったって思ってる?」
「詳しくは二人にしか分からないことだろうけど、岩が星賀ちゃんのこと大切に思ってたのは知ってるから少なくとも俺にはそう見える」
「でも柳瀬さんなんかに一を取られたくない」
「そっか…」

本音を言えばそれは星賀ちゃんの我儘だよって返したかった。岩と付き合い始めた時の星賀ちゃんは誰もが守ってあげたくなるような可愛い感じだったし、それに応えるように岩だって精一杯頑張ってた。だからあんな形で岩を振ったのに今更何なんだろうって当事者じゃなくても正直呆れるよ。
/ 1333ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp