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(R18) kiss hug ❤︎ HQ裏夢

第72章 結婚するまで帰れません(1) 岩泉一


あれから2日後、予定通りにインハイ予選のメンバーが発表された。三年生がメインで組まれているとは言え及川はレギュラー入りが決まっているし実力があればレギュラーを勝ち取ることができる。

俺の名前は補欠の欄にあった。二年で選ばれたのは俺と及川の二人だけとは言っても補欠にすら選ばれなかった先輩たちを思えばある程度評価されたってことでいいんだよな?

「岩ちゃん、よかったじゃん。一応補欠に選ばれてさ」
「俺もレギュラー入りしてたら素直に喜べるけ及川に言われるとすげぇ微妙だわ」
「それでも俺二人だけなんだからもっと胸張っていいじゃん。後は相手チーム次第だけど…、キャプテンくじ運ないからね」
「…そうだな」

だけど二人の嫌な予感は的中してしまった。今回の予選はくじ運も悪く、相手は格上のシード校。すでに諦めムードがチームの一部で漂っているのに俺も及川も苛立ちを感じていた。

「なんでもう諦めムードなんだよ。格上っつったって実力はほぼ互角だろ?」
「データ上はね…。あっちの優秀なセッターも今は不調みたいだしある意味、向こうのプライドへし折る絶好のチャンスなんだけどな」
「お前のその発言も否定はしねぇけど今ははっきり言って二年の方が士気が高いのによ」
「そうだね。全然頼りにならなさすぎて笑えるよね」
「俺は腹たってくるわ」
「まぁまぁそんなにかっかしないで。もうメンバーだって決まってるんだし落ち着いていこうよ」
「お前は悔しくねぇのかよ」
「悔しいし情けないよ。でもそんなの俺たちの代では全部ぶっ壊せばいいだけじゃん。俺たちはベストを尽くすことなんて目的にしてないでしょ?それ以上の結果をもぎ取勝者なるためにいるわけだからさ…」
「ああ…」
「だったら後一年我慢してさ、全部ぶっ壊しちゃおうよ」
「……そうだな、それしかねぇよな。俺、お前のそういうとこは嫌いじゃねぇわ」
「でしょ?結局俺と岩ちゃんはなんだかんだ言って馬が合うんだよ」
「それ認めんは癪だけどな」
「いつか認めさせるから覚悟しといてね」

いつもはウザいだけの相棒が頼もしく見える。自分にチャンスが巡ってくれるのかはまだ分からない。それでも気持ちだけは常に上を目指している。

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