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(R18) kiss hug ❤︎ HQ裏夢

第72章 結婚するまで帰れません(1) 岩泉一


これまでにも何度かはこうやって“好き”と言われたこともあった。でも実際は全然響かなくてどうやって断ろうかってそればっかりだった。

聞き慣れない関西弁のせいなのか。こいつの甘ったるい声のせいなのか。単に俺が疲れてて頭がおかしいのかそれは分かんねぇけどその言葉が初めて嬉しいと感じていた。

今は何も返せないけど、ここまで来た行動力も、俺に対しての想いは認めざるを得ない。まだ会って一か月で絶対に好きになることはないって断言できる自分がいたのにそれさえも曖昧で揺らぎ始めている。もっと嘘をつけるのが上手かったら誤魔化せるのにな…。



柳瀬のアパートに帰る前にコンビニに立ち寄った。一旦アパートに送ってた方が早かったけど経口補水液もないっつうから仕方なく…。けど涼しい夜風に当たってコンビニに着いた時には表情も戻っていた。コンビニは客も少なくて熱中症対策に書かれたボトルを何本か適当にカゴに入れた。

「寝る前にこれは一本全部飲んで後は寝てろよ」
「これ全部ですか?500ミリくらいありますけど」
「腹は?減ってねぇのか?」
「まだ今は…」
「じゃあ飯の代わりだと思って飲んどけ。もし家帰って飯食えんならなんか入れとけ。おにぎりも買っとくか?」

男が相手なら無理にでも食えっつって脅すんだけど、なんせ女だしな。なにがいいのかなんて全然分かんねぇわ。

「一君、なんでそんなに優しいんですか?」
「んなことねぇよ…。普通だろ?」
「これが普通だったら世の女の子、みんな一君のこと好きになるからダメです」
「んなわけねぇだろ。ただでさえモテねぇのに」
「でも私は大好きなんですけど?」
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