第70章 ❤︎ 射精管理 二口堅治
「でもいちかが思い描いてるような恋人らしいことしてやれないかも」
「え、待って。そんなこと考えてくれてたの?すっごく優しいんだけど」
「休みも部活優先だしな」
「全然いいよ。堅治君がいいなら試合とかこっそり応援とかも行くし」
「それは要相談で。応援とが恥ずい」
「分かった。その時はちゃんと許可得てからにする」
「物分かりいいな」
「だって嫌われたくないもん。でも堅治君って私のして欲しいことは全部してくれそうだよね。なんだかんだ言って私の願い事は全部叶えてくれそうだし」
「絶対そうはならないから」
「そんなことないと思う」
「じゃあ例えば?」
「んー…。もしこの先もずっと付き合ってて結婚ってなったら……夢の国で結婚式挙げるとか?」
「絶対嫌」
「今は、ね?」
「夢の国で式挙げるとか絶対にそれだけないから」
「まぁ先のことはその時考えよう。とりあえず今日が記念日ってことで」
「へいへい」
「ねぇ、堅治君」
「なんだよ」
「私のこと、好き?」
「………少なくとも嫌いではない」
「うん。それだけで十分幸せ。私のことはゆっくり好きになっていってね?」
この笑顔に俺はこれから騙されていくんだろう。ゆっくりどころかハイスピードで好きに気持ちが傾いている。いっそ好きだと認めてしまえば楽になれるだろうけど、今はまだ自分のプライドのために素直には慣れない。
だけど数年後、某夢の国でどっかの王国のバカ王子のような格好をさせられ永遠の愛を誓う未来予想図が用意されていることをこの時の俺はまだ知らない。
fin*