第68章 ❤︎ 青城3年とルームシェア
いつでも連絡してくれたらいいとは言ってたけどさすがになぁと思いつつ、フェイストークしない?って送ってみる。すぐに既読がついていいよとテンション高めなスタンプ。
「こんな時間なのにいいんだって。この人本当に仕事してるのかな」
「ね。やっぱ怪しいよね」
そのすぐ後“今日、顔浮腫んでるけど気にしないで”の返事に及川と顔を見合わせた。
「これ絶対、フェイクしてるから」
「自らフラグ立てちゃったね。どうしよ」
「いいじゃん、このまま通話すれば。それで騙されてたら切っちゃえ」
「そうだよね」
恐る恐るフェイストークの通話ボタンを押した。私の顔が小さな画面に写り慌てて髪の毛を直す。そして数秒後、画面に映ったマイリー君であろう男性の顔に驚愕した。
「え?相手不細工じゃん」
「は?顔、違うじゃん」
ほぼ同時に呟いて思わず及川とまた顔を見合わせる。画面に映っていたのは写真とは似ても似つかない別人。顔の浮腫がどうのこうのってレベルじゃねぇぞ、これ。
「待って待って。だって写真はめっちゃイケメンだったのに…。イケメンどこ行った?」
「いや、これ完全な釣りでしょ…」
「だから今日は顔が浮腫んでて」
「そのレベルじゃないから。全てのパーツが違うし完全な別人じゃん」
「その隣の男誰だよ。お前、馬鹿にしてんのか?」
ほんとは隠れてるはずだった及川もあまりのギャップに唖然とした表情が映りっぱなしだった。
「そりゃ馬鹿にするでしょ?写真はフェイクが多いってよく聞いてたけど実際にいるんだぁって」
「写真は実物だって言ったのに、人騙すなんて最低」
「そう言うお前だって写真よりブスじゃん。写真盛ってんじゃねぇよ、ブス」
「盛ってないから。言っとくけど送ってあったのは修正もしてない写真だから。確かに今日は化粧はしてなかったけど」
「じゃ一緒だろ?つーかこっちもお前みたなブス嫌なんだけど。無理だわ」
メールではめちゃくちゃ優しくて紳士だと思ってたのに、豹変ぶりに開いた口が塞がらない。ブスって連呼されて悲しいよりは腹立たしい。