第68章 ❤︎ 青城3年とルームシェア
確かにその通りだと思った。この先いつまで続くか分からないこの状況下で誰にも会えずずっと一人のままなんてきっとおかしくなってしまう。たった一か月でも有様なら尚更。それなら高校時代を楽しく過ごした仲間と楽しむのだってアリな話だ。
「でもさぁ、男ばっかなわけじゃん?」
「そうだな」
「松川はともかく他の男と一つ屋根の下で暮らすって健全じゃないよね?」
「合宿だと思えば?」
「それとこれとは違うじゃん。こんな無法地帯みたな場所で男と暮らすってのもねぇ…」
「変なこと想像してる?」
「そういう意味じゃないけど」
そりゃ普通変な事のひとつやふたつ考えるでしょ?特に松川とは元カレ元カノな関係なわけだし。
考え込む私を他所に冷ややかな視線を向け、私の反応を楽しんでほくそ笑んでいる。この笑顔、大好きで嫌い。まぁ松川は元カレだし仮に間違いがあってもいいとして、まだ何も決まってないのにこの絶妙なタイミングでインターフォンが鳴る。
「噂をすれば来たんじゃない?」
「嘘でしょ?早くない!?」
恐る恐る玄関に向かいドアスコープを覗き込むと岩泉と花巻の二人が立っている。
「マジでいるんだけど」
「二人とも?」
「仲良く並んで立ってる」
「入れてあげれば?」
ここで入れちゃったらさ、絶対後戻りできないやつだよね。
「一人で居たくないだろ?」
「そりゃあ…」
催促するようにもう一度インターフォンが鳴る。ここまで来ちゃったらもう無視することもできないって、ため息をつきながらドアを開けると満面の笑みの花巻の姿。
花「来たよっ」
岩「よう」
こんなアポなしでやって来て、例え久々の再会でも気が重い、重すぎる。
「ほんとに来たし…」
花「だってまっつんがいちかの家に集合って」
「それさぁ、私なんにも聞いてなかったんけど」
花「そうなの?なんかまっつんがいちかが淋しそうにしてるから来てやって」
岩「俺も似たような連絡だったぞ」
「ちょっと松川?」
松「メンバーが揃えば楽しいかなって。とりあえず入れば?」
「なに勝手に」
花「お邪魔しまぁーす」
「ちょっと誰も入っていいって言ってない」
花「でもまっつんは入ってるだろ?なら俺たちもいいよな?」