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(R18) kiss hug ❤︎ HQ裏夢

第68章 ❤︎ 青城3年とルームシェア


高校を卒業して半年、それはあまりにも突然だった。

夕食のカップラーメンが出来上がるのをぼーっとテレビを観ながら待っていると、突然、総理大臣の緊急会見の映像に切り替わった。海外の謎のウイルスの風邪が流行っていたのは知ってたけどそれが国内で初めて確認されたから緊急事態宣言出します、との内容。その時はあらぁ、えらいこっちゃ…なんて他人事のように思っていたのに、事態はどんどん悪い方向へ向かうことになる。

会見があった一ヶ月後には感染がじわじわと全国へ広がりつつあり、連日都民ファーストの都知事が三密を訴え、ついには海外、県外の移動は禁止、国民への外出自粛要請、学校も無期限の休校、会社もリモートへ切り替割った。そしてSNSでは各国の暴動の様子が拡散され、デマが溢れ、マスクやトイレットペーパーが店頭から消えた。地方だからと呑気に構えていた私も就職していた会社から解雇され、あまりにも非現実的なことに頭がついていかず世の中の混乱に自分も飲まれつつあった。

誰にも会えない孤独とどんどん追い込まれていくような状況に、あれ?これって夢?私まだ夢の中にいるのかな?どうせ夢の中なら二次元の夢の中で推し達と幸せに暮らしたいんだけど!なんて現実逃避するしかなかった。

「いつまで続くんだよ、こんな生活」

ため息しかでない毎日。宅配サービスで食材は届くものの、料理なんてする気にもならない。今夜も買い溜めてあったカップ麺を適当に取ってきて湯を沸かす。無音の部屋に置かれた鏡にはカップラーメンを持ったボロ雑巾みたいな自分。

せめて仕事でもあったらな…。あんなに嫌だった仕事すらもはや恋しいなんてほんと狂ってる。何でもないようなことが幸せだったと思うなんてやめてくれ。メンタル死ぬから。とりあえずサブスクでメンタルが生かされている今、海外ドラマの続きだけが生きる目標。なんて思いながらテレビをつけようとした時、玄関のインターフォンが鳴った。

恐る恐る開いた扉に立っていたのは半年ぶりに会う元彼の姿だった。
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