第67章 ❤︎ 治店長とバイト店員の初体験　宮治

「キスも上手くなってる？」
「なんで？」
「今のちょっと攻めてみたんやけど、キスも必死で、なんか可愛いなって思っただけ」
「治君も可愛いって言ってくれるんや」
「言わせてんやん」
「嬉しい。好きな人に可愛いって言われんの、最高にきゅんってなる」
「ならもっと可愛い姿見せてもらおかな」
「へ？」

きょとんとした表情のいちかの鼻先に口付けてから俺は身を屈めた。ウエストのくびれ、臍、薄いヘア。柔らかなシーツの中へ二人分の体重が重なって沈む。

「脚開け」
「え？」
「まだ足りへんからな」
「え？何？」

体のラインにそって流れるように唇が移動して辿り着いたのは下半身の中心。躊躇うことなく顔を埋めて舌先が割って入れる。

「待って、汚い」
「もっと解さな…」

多分いちかの中では予想してなかったことやったと思う。俺の体を押し除けようとする両手を右手で拘束して動きを止めた。小さな突起を舌で転がすといちかの泣きそうな声の中にも甘い吐息が混じっていく。体が跳ねると一緒に中もきゅっと締まって愛液が濡らす。

「は、っ、ああ」
「自分でも分かってんやろ？濡れてるって」
「ん、うんっ…」
「こんだけ濡れてても痛いと思う」
「痛くてもいい…からっ、もう」
「何？」
「一回、やめて？我慢できなくなりそう、だからっ」
「我慢せんでええ」
「あっ、ああ…っ、ん、……っ」

張りつめた糸が切れるように一際大きく嬌声があがり体が仰け反って体が何度も震えた。〝治君〟とか弱い声で何度も俺を呼びイッた後で熱い体を抱きしめる。いちかの頬に涙が伝っていることに気付いたのは呼吸が落ち着いてからだった。

「ごめん。ちょっとやりすぎた？」
「違う。泣きたくないのに涙が勝手に。…ごめんなさい」
「よう頑張ったな」
「ねぇ、なんで…っ、こんな丁寧にしてくれるん？」
「俺を選んだこと後悔させたないしな」
「こんなに優しくされたら一生忘れられなくなっちゃう」
「俺やってお前の大事なもん奪うんやからそれなりの覚悟してるしな…。最悪、いちかが傷つかない様にって」
「治君、好き。ほんまに好き」
「なら俺も言わせてもらうけど、ほんまはいちかが少しでも嫌がったらすぐに止める気やったけど、無理やわ。めちゃくちゃ抱きたい」
「………え？」
「心底、いちかが欲しいって思てる」