第6章 記憶の中の人
現場に急行し、一般人が近寄らないように警護しながらひたすら戦闘が終わるのを待つ私。
剣を振るえない私たちには、戦闘に加わることはほとんどできない。特に手当て専門の私には、負傷者の救出の様子を伺う隠したちのさらに後ろで負傷者が運ばれてくるのを待つしかない。
(不死川サンなら、きっと大丈夫)
そう思っても、不安な気持ちは私の心を支配したままで待っているのが辛い。
1秒、1秒が長い…
このまま永遠に夜なんじゃないか…
そう思うほど…
しばらくすると救出の様子を伺っていた隠したちが動き出し、中の人たちが救出されてくる。
急いで駆け寄り、応急処置を施す。
それにしても、不死川サンの姿がなかなか見えない…。
居ても立っても居られず、手当てがひと段落したところで、
「先輩、私、不死川様のご様子見てきます!」
と伝える。先輩は本当はまだ手が必要だったはずなのに、
「花耶ちゃん了解。こっち落ち着いたらすぐ行くから。何かあったら、すぐ呼んで!」
と快く送り出してくれた。