第4章 おはぎを食いにー実弥sideー
「オイ、そこの3つくれェ」
任務の合間、行きつけの甘味処で、おはぎを注文していると、入口からものすごい視線を感じた。俺は、気にしないふりをして支払いをして店を出ると、立っていたのは花柄の着物の女。
「不死川様、お疲れ様です。」
と遠慮がちに挨拶された俺は、聞き覚えのある声で花耶だと気づいた。隊服ではないため、鬼殺隊関係者だと気づかれないと思い遠慮がちだったのだろう。
(だが、俺は個人まで特定しちまってる…俺の方が怪しいやつかもしない。)
その上、いつもは隠れている綺麗な髪や口元、似合っている花柄の着物…
あまり凝視してヤベェ奴だと思われなくない俺は、
「…あァ」
曖昧に返事をして、帰り道おはぎの事だけを考えた。