第3章 おはぎはお好きですか
「お待たせしました。」
手を離してそう伝えると、
不死川サンは、小さく
「おはぎ…」
と呟いた。
そして、
「この前、おはぎ食ったのかァ?」
(この前って…あの時、お店でお見かけした時?私だって気づいたってコト!?)
「いえ、あのお店のおはぎはまだ食べた事無いんです。不死川様は、おはぎお好きなんですか?」
「アァ」
「そうなんですね!おはぎ気になっていたので、今度行くときは、おはぎにしようかなぁ、お店のお抹茶とも合いそうですし!」
「抹茶いいなァ」
(不死川サンはお持ち帰りだったなぁ。)
「はい!お抹茶と一緒にお店でいただいたら、絶対美味しいですよね!」
「アァ、美味そうだな、今度連れてけェ」
「は、はい!!」
私が勢いよく返事をすると、不死川サンは恥ずかしそうに帰っていった。
私は、不死川サンを見送りながら、
「い、いやおはぎ食べるだけだし…」
と自分を落ち着けようと呟いた。