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不死川サンとの恋【鬼滅の刃•不死川実弥】

第3章 おはぎはお好きですか


そしてその夜…

私の出動先の隊員は、不死川サンだったのである。
そして私は、いつもの通り先輩から不死川サンの怪我の確認を命じられた。
戦闘後の雑踏の中、不死川さんを見つけて跪き、声をかける。

「不死川様、お怪我はございませんか?」

「…あァ、雑魚鬼だァ、怪我はねェ」

(不死川サン強いもんね、良かった…)

怪我がないことを聞いて安心しつつも、どこか落胆している自分もいる。でも、その日の私は、よほど晴子から勇気づけられていたようで、

「あ、あの…。先日の傷の治りを確認させていただけますか?」

「ンなモン怪我のうちじゃねェ」

手当ての時には、ほとんど血も溜まっていた切り傷と擦り傷だ。
不死川サンが言う通り大した傷ではない。
それでも不死川サンは腕を出してくれたのだった。半月経った傷は、しっかり薬が効いたようで、綺麗に治っている。無数の傷跡が残る腕でも、私にはハッキリとわかった。

「綺麗に治ってよかったです。」

「…ッ、アァ」

なんてこと無いことを言ったつもりなのに、ちょっとビックリしたような不死川サンの返事…。
不思議に思った私は、自分が無意識に不死川サンの腕を指でなぞっていたことに気づいた。慌てて手を離して、代わりに薬を取り出す。
不死川サンの腕は、半月の間にも細かな傷が増えていて、再び治りかけの傷跡に指を近づけて薬を塗っていく。
しばらくして大人しかった不死川サンが、突然口を開いて、

「俺の腕なんかもう傷だらけだァ。今更、どうだっていいだろォ。」

なんて聞いてくる。

「どうでも良くなんかありません。」

「どうしてだァ?」

「どうしてって…私が気になるからです!不死川サンの大事な体ですから!」

急にそんな事を聞かれ慌ててしまいよくわからない事を口走ってしまった気がする。
でも、不死川サンは、

「そうかァ…」

と言ってそれ以上何も言わず、黙って手当が終わるのを待っていた。 
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