第2章 お怪我はありませんか
不死川サンを見送り、先輩達と落ち合う。
「先輩、お疲れ様です。不死川様の手当て完了しました。」
「お疲れ〜。怪我の程度は?」
「はい、腕の切り傷、擦り傷なので特に問題ありません。」
「了解。それにしても、花耶ちゃん流石〜!やっぱり、花耶ちゃんにはそのくらいの傷でも見せちゃうのね!」
「そんなこと無いですよ〜!」
と否定しながら
(いや先輩、そんなにすんなり見せてもらった訳では…。ちょっと不死川サンの弱み使いました…。)
内心そんなことを考える。
「てか、花耶ちゃん、背中の血どうしたの?」
「え、あ…それは不死川様のお手当の時に…」
「んな所、血つく?不死川様に抱きつかれでもしたの〜?」
と面白そうに揶揄う先輩。
(まさか見てた?)
「そんな訳ないじゃないですかー!!」
慌てて否定すると、
「も〜花耶ちゃんムキになっちゃって〜。冗談よ!手当てすらなかなかな不死川様がそんな訳ないじゃない。いやー、そんな光景あったら見てみたいもんだわ〜」
「もー先輩、揶揄わないでくださいよ〜。」
「ごめん、ごめん。花耶ちゃん!これからも不死川様ヨロシクネ!じゃ、お先〜」
と手をヒラヒラさせて帰って行く先輩の背中に
「いや先輩、そんな訳あるんですよ。」
と、私は小さく呟いた。