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私と彼らの生活

第6章 Season 1 後悔


順さんの提案から始まった私と紘と裕の妙な生活は、あの日から三週間が経とうとしていた。

昼間は少し暖かい日が続くようになってきた。

あれから一週間くらいして、私は生理になり、あの薬を飲み始めていた。

はじめは吐き気や、頭痛なんかの副作用も出たけど、なんとか今は落ち着いてきた。

紘は、ちゃんと順さんの言いつけを守っているのか何なのか、あれから私に触れてこようとはしない。

まぁ元々忙しい人だから、そんな暇さえもないのだろうけど。

私も、なんだかんだで相変わらず夜のバイトは続けているし、結構満足してしまっているのか全然気にもならなかった。

というか、むしろこれが当たり前で、また元の関係に戻っただけなんだろうなぁ、なんて思ったりもしていた。

裕とは、私の生理を除いて何度かセックスした。

順さんの言ったとおり、二回目以降は裕と抱き合う事に慣れてきて、終わった後の罪悪感だったり、モヤモヤだったりはだんだん薄れてきて、少しずつ心が軽くなりはじめてきた。

生理後には、ピルを飲み始めたことを伝えたが、それでも、と裕は避妊具を使ってくれた。

確かに、今までそうやって避妊をしてきた私としては、そのほうが目に見える分安心感も強かった。

私の感情は安定している。

裕は、いつも私を抱くときすごく優しく沢山声をかけてくれた。

たとえその場限りのだとしても、私の心はとても満たされていた。

そうなると、不安になることが少なくなって、なんだか今までぎこちなかった治さんにも優しく接することができるようになっている気がしなくもない。

それに、家でもバイトでも今までどおりの労働量のはずなのに、翌日に持ち越す疲れの度合いは大幅に軽減されていた。




普段はリビングで過ごすことが多いのだけど、今日はなんとなくそんな気分じゃなくて、和室の大きな窓をあけ、畳の上に寝転がっていた。

蒸し暑くて、気だるくて。

でもリビングじゃ誰が入ってくるかわからないからなかなかそんな気の抜けた状態ではいれないから。

乃々が絵本を持って私を探し回り、やっとのことで和室にいることに気づいたようだ。

「まま、みつけたー。これよんでー」

と入ってくる。

「んー、いいよー」

乃々が持ってきた絵本を読むために、身体を起こした。

「まま、ぼこぼこー」
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