第3章 Season 1 尋問
「~~~~~~~~~かわいいっっっ」
大きな目で見つめられて、そんなこと言われたら、キュンキュンしないわけがない。
あまりにも真っ直ぐすぎる翼を、私は思わず抱きしめてしまった。
「ちょっと、慧さん!!子ども扱いしないでください!!僕だって、ちゃんと大人の男なんですからね!」
「んーん。だって、かわいいんだもんっっ。つばさっち、ありがとうぅぅっ」
翼が、妙な勘違いをしてくれていることに、私の心配は少し収まり、逆に翼の頭をぐしゃぐしゃと撫で回した。
「いいこだ、いいこー。つばさっちはずっとそのままでいてー」
「ぶぅーっ」
頬を膨らませる翼をなだめながら、階段をおりた。いつの間にか、動揺してボコボコ打っていた心臓も落ち着いていた。
翼にまた手伝ってもらいながら夕食を作り終えると、ちょうど拓も帰ってきて、今日もわりとにぎやかな時間になった。
裕は食事ができたと伝えると、素直に下りてきてはくれたが、少しばつが悪そうな顔をしている。
ここは私が大人にならなくちゃなと、
「裕、さっきはどうもありがとうね。私はもう大丈夫だから」
いつも通りの口調で、ぎこちなくならない様に伝えた。
こっちが壁を作っちゃ駄目だ。
「あ……うん」
裕はうなずいて食卓につく。
みんなで笑いながらごはんを食べ終わるころには、裕もすっかりいつものように戻っていてくれた。