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私と彼らの生活

第13章 Season 2 新生活


「なんで、そうなるんですか?」

治さんとの離婚が決まって、裕たちとの関係も終わらせて、どこかにアパートでも借りて子供と暮らすつもりでいた私の元に、祥さんがやってきた。

「うん。だからね、俺と順がマンション引き払ってくるから、あいつらは今までどおりプラス俺らがここに住むの」

何度聞いても目をぱちぱちさせることしかできない。

「いや、あの、別にそれはいいと思うんですけど」

「だから、慧ちゃんは今までどおりここにいて、家事全般を俺らのためにやってくれればいいから」

リビングで祥さんはソファーに、私はカーペットの上に座っている。

「大丈夫。治さんとももう話はつけてあるし」

「ちょっと待ってください!!どういうことですか?」

「うん?治さんもいいって言ってるよ?」

「なんでそんな……」

この家は売るって言ってたじゃないか。

どうやら私の知らないところで話が進んでいるみたいだ。

「それに、慧ちゃんと離れることになるとさ、裕も翼もだめになっちゃうと思うんだよね。もちろん他も」

祥さんがコーヒーの入ったマグカップを手に取る。ミルクも砂糖も入れなかった。

「そう、なんですか」

「うん。俺的には慧ちゃんにはあいつらの支えになってて欲しいし、大体親一人子供ふたり路頭に迷わせるわけにはいかないでしょ?」

「私ひとりでだって、寧々と乃々の面倒くらい見れます!」

女ひとりじゃ何もできないという意味を含んだような言葉に意地を張ってそう返すと、

「よく言うよ。あてがあるわけじゃないし子供を預けて女が昼夜問わず働くにしても限界があるでしょ?甘えられる場所があるんなら甘えたほうがいいと思うよ?」

と祥さん。

確かに、意地を張っても無理なものは無理だ。

幼稚園から保育園に変えるだとか、それに伴う諸々とか。

実家に戻る、というのもなんだか色々面倒だし。

「ほら、頷いちゃえ!」

祥さんが少しからかうような口調でそう言ってきた。

「あの……」

「うん?」

「……すいません。よろしくお願いします」

私は膝に手を突いて頭を下げた。
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