• テキストサイズ

私と彼らの生活

第11章 Season 1 理由


「彼女は、旦那さんも忙しい人で、知らない場所に嫁いできて心細くて、おまけに子供がなかなか出来ない体質だったんだって。親戚からの圧力も相当だったみたいだよ?いろんなことが重なって何年も夫婦関係がない状態だった。奥さんのほうにその気があっても、旦那さん側が無理だったみたいでね。ないっていうよりできないって感じなのかな。忙しくて、心も身体も疲れてて、奥さんの方が愛想を尽かして家庭内別居状態でさ。旦那さんのほうも気に病んでたんだよね。子供が出来ないことも、彼女に寂しい思いをさせてしまっていることも。だから、拓と翼を家にあげたんだ」

私は祥さんの話に耳を傾ける。

「初めは彼女としゃべったり、一緒に過ごすことでそんな彼女の気を紛らせるような感じだったらしい。だけどそのうち拓も翼も彼女に本気になってしまった。弱くて儚くて、でも自分たちといる間は楽しそうに笑ってくれる。そんな彼女の力になりたくて、いつの間にか好きになってたって」

祥さんの話に、私は相槌すらうまく打てずにいた。

「でね、あるとき翼が一緒じゃない日があって、拓は誘われるままに彼女と身体の関係を持ってしまった。拓はまだ若かったから、想いが通じたもんだと思って嬉しくて。だけどそれはまったく検討ちがいでさ、事が済んだ後、彼女が翼ともそういうことになってることをほのめかしたらしい」

「……」

「その言葉で、拓は翼がすでに彼女と関係を持ってたことを知った。それでも拓は彼女の事が嫌いになれなくて、どうしても逢いたくて、何度も関係を持ったらしい。そうしてるうちに、彼女から妊娠した事を告げられたみたい」

私は息を飲んだ。
/ 143ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp