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私と彼らの生活

第11章 Season 1 理由


私はなにかいろんなモヤモヤが渦巻いて、しばらく動けずにいたけど、それでも何とか自分を奮い立たせ残っていた洗濯物をやっつけた。

それから、ケータイを引っ張り出して、電話を掛けた。



一時間後、私は祥さんの部屋にいた。

多分、私はここにきたときに青白い顔をしていたんだと思う。

他に誰に相談していいのかもわからなかった。

うまく回らない頭で考えて、祥さんが一番頼れるような気がしたのだ。だから、電話を掛けた。

相談があるというと、すぐに来てもいいと言う返事だったので、簡単な住所だけ聞いて何とかたどり着く事ができたのだが、今朝までのいろんなことが頭に巡ってそんな顔色をしていたんだと思う。

心配した祥さんが、慌てて私を部屋の中に上げてくれ、座らせてくれた。

「どうしたの?大丈夫?」

「はい……すみません、急に」

「いや、今日は昼からだったから」

「あの、拓が……何か言いたそうで。えっと……」

どう伝えるべきか悩みながら言葉を探していると、

「ね、慧ちゃん最近順と仲いいみたいだけど、ひょっとしてなんか面倒な事に巻き込まれてるんじゃない?」

祥さんがお茶を入れてくれて、落ち着くから、と飲まされた。

なんて言っていいのかわからない。うつむいたまま話さない私に、

「拓や、翼は元気?」

祥さんは裕や紘ではなく、拓と翼のことを聞いてきた。

「……はい、元気だと思います」

「思いますって」

祥さんが笑った。

「まぁ、俺もよく会うから知ってるんだけど、元気そうだよね。ほんと、ありがとうね」

「いえ、私は何も」

「ううん、慧ちゃんち行ってあいつら変わったんだよ?以前の拓や翼を知らないから判らないだろうけど、確実に慧ちゃんちに行ってからちゃんと笑えるようになったんだ」

どういうことだろう。

「あのね、2年くらい前、だったかな。順の紹介で拓と翼はある女性に逢うようになったんだよ。週に一度、平日の昼間」

ぽつりと祥さんが話し始めた。
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