【名探偵コナン】生まれ変わったら名探偵の姉でした。
第3章 〜小波の魔法使い〜
けれど明らかに真剣な話をしている集団に臆さぬ母は、真純ちゃんの口元を拭い続けるメアリーさんに普通に話しかけた。しかも突然
見知らぬ相手が、「もしかしてイギリスの人ですか?」ってかんじで話しかけてきたら誰でも驚いてしまうと思うけど
有希子「ジャガイモを拍子木切りにして、油で揚げて塩を振ったものを日本じゃフライドポテト……アメリカじゃフレンチフライズ……。それをチップスって言うのは、フィッシュ&チップスの国イギリスかなって……」
メアリー「……」
椎奈「母さん、いきなりそんな話しかけ方したら駄目だよ。世の中物騒でしょ?知らない外国人に出身国を特定されるなんて私なら怖いと思うし……」
即座にフレンドリーな母さんを注意したら、しまったと気づいたらしい母が慌ててメアリーさん達に謝った
有希子「あっ!そうよね、私ったらごめんなさい!」
メアリー「いえ……」
有希子「実は私とこの子、女の子を連れて迷子になった息子を探してるんです。見かけませんでした?」
椎奈「男の子が緑の海パンを履いていて、連れの子がワンピースの水着なんです。身長がちょうど娘さんと同じぐらいの子なんですけど……」
メアリー「さあ……」
二人で一緒に尋ねてみたけど、メアリーさんは顔を背けて「見ていない」という返事だし、私が赤井さん達の方を見ると彼らも首を横に振っていた
……新一達は本当にどこを彷徨っているんだろう?確か母さんが去って行った後に彼らの前に出て来る筈だったよね?
記憶にぼんやりと浮かんだ原作を思い出そうと首を傾げる私を他所に、母さんが呆れた顔で「どこ行ったのよ?」と悪態を吐きながらその場を去っていく。私も母の背中に続いて二、三歩足を進めるけれど、このまま近くに待機して新一を待ち伏せた方がいい
そう思った私は母さんに駆け寄り、二手に別れて探すことを提案してみる
椎奈「ちょっと浜辺が広すぎるね、この辺りは私が探してみるよ。母さんはもっと奥を探してみて?携帯はあるから大丈夫」
有希子「そうね、新一を見つけ次第連絡しましょう!」
そんな短いやりとりをした後、母さんが引き続き奥に歩いて行って私は周辺を歩き回る。そして赤井さん達一家が深刻な話を静かな声でしている最中、新一が近寄っていくのを見つけた