【名探偵コナン】生まれ変わったら名探偵の姉でした。
第12章 〜『Goddess』前編【原作4年前】〜
*
警察学校組の三人やナタリーちゃんと出かけ、仕事三昧な日々を過ごしていると気づけば一週間が経過した。この日の晩は、彼らに言ってた通り有名店の小規模なパーティが開かれる。場所は高級ホテルの宴会場を貸し切り、集められる人は一般社員の中の希望者達と会社関係でいる上層部、そして商品に関わった少人数のVIP待遇者ぐらいだろうか
因みに、私や友人は一番最後のVIP待遇者に該当する。一応付き添い人もOKと言われたが、家族は父が原稿の締切、新一は学校があって母はプライベートな用事があるから無理になった。なので私一人で良いかと思っていると、友人にそれは宜しくないと注意されて送迎や付き添い人の手配も全部してもらう事になったのだ
その為、私はお昼近くから来日中の友人に会うべく、泊まってるホテルを教えてもらってやって来た。紹介される人との顔合わせでもある。ホテルは住所と部屋番号を前夜にLIN○で聞いているので、それを便りに会場になった場所とは別の高級ホテルのエレベーターで最上階に登っていく
エレベーターは出入り口とは真逆の壁が透明ガラスになっていて、階が上がっていく毎に外の景色も壮観になった。私はエレベーター内でそんな圧巻の景色を楽しんでいたし、最上階で降りた後は廊下を歩いて友人が使ってる部屋を剥がし始める
んー、何だかなぁ……。彼女の方が詳しそうだし任せてたけど、本当に大丈夫だったのかな?昨夜の彼のLIN○も気がかりだし……
私がそう思って不安になるのは、この友人が黒の組織の幹部のベルモット、もといクリス・ヴィンヤードだからだ。もちろん最初は警察にって思ったけど、今後原作で彼女は重要なポストにいるし悪人である証拠がない。何せ私と彼女の出会いは混んでた喫茶店での相席で、何度か会っているけど組織の片鱗を見たことすらもない
けれど今回、一緒にパーティへ行く事になって付き添い人を紹介されるこのタイミングで諸伏景光、もとい潜入中のスコッチさんから一回だけのメッセージが届いたのだ
《諸伏さん:俺達と会っても絶対他人のふりをしろ。名前を呼ぶのも過去の話も禁止する。理由は話せないけれど重要な秘密なんだ。絶対守ってくれ》
こうして念入りに忠告したり、『俺達』って言ったり、原作で潜入中だと分かっているから尚更嫌な予感がしている……。私は何もない事を祈ってホテルに来たのだ