【名探偵コナン】生まれ変わったら名探偵の姉でした。
第11章 〜姉妹の如く【原作5年前】〜
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長い廊下の最奥にあるのが我が家のキッチンとダイニングだ。私は先に蘭ちゃんと園子ちゃんを隣同士で席に座らせ、お盆にお菓子の盛り合わせとオレンジジュース二つと紅茶を乗せてテーブルまで持ってきた。一応二人に「手伝います!」って言われたけども、可愛いお客さんに手伝って貰うのは大変申し訳ない。それに「高そうな食器ですね」って聞かれて、「○○万円のブランドものだしねぇ」って言うと青褪めた顔になったし、さすがにね?
だから暫く二人で座って準備を待って貰い、二人の前にオレンジジュース、紅茶を向かい側に座る私の前、間にお菓子のお皿を置いて……。それから始まった女の子だけの茶会は、最初の話題なんて言わずもがなの新一だった
椎奈「へぇ〜!それじゃあ新一、クラスで解決したっていう落とし物の借りパク問題ですっかり有名になったのね?」
園子「そうなんです!だけどその後すっかり天狗になって、ファンレターを貰ったら蘭に見せびらかすんです!」
蘭「まったく!あんなに調子づいてちゃって……って、ごめんなさい!」
椎奈「うん?あーあー、いいの!私もあの子が結構目立ちたがり屋なのは知ってるしね?」
二人はオレンジジュースを飲みつつ学校で起こった事件や、それを新一が解決した後、自分が人気になって有頂天になってる話を力説してくれた。そしてやはり園子ちゃんの抜かりない揶揄いもあって、うっかり罵りかけた蘭ちゃんが慌てて私に謝って来る
けれどまぁ、私も蘭ちゃん達の言い分が分からないでもないんだよなぁ……
椎奈「きっと優越感でいっぱいなのよ。ファンが出来れば自分の才能が認められる、憧れの名探偵に近づく一歩としての認識ね」
蘭「確かに、新一にとってホームズは特別ですもんね……。ぶっちゃけ、悔しいけどうちの父親よりも賢い奴なのは明白だし」
園子「もう!結局蘭はそうなんだから!いいの?!ホームズ以外の話に乗ってくれなくて、お父さんが負けた感じで悔しがってるじゃない!」
蘭「え?!いやまぁ、そうなんだけど……」
どうやら園子ちゃんは蘭ちゃんの中で妥協している事が許せないらしい。きっと蘭ちゃんからすれば、工藤新一のそういう部分を引っくるめて好きになったんだろう。けれどそういう考え方は見過ごせないなぁ……