第9章 〜長野県警も優秀です〜

どーもどーも、以前原作の爆弾事件で萩原さんの生存をこの目で確認できたお間抜け少女、工藤椎奈です！あれから萩原さんに電話をかけられ、その場に私がいたのを見た事や人混み脱出に苦戦している間抜けな姿を目撃したと爆笑された。そして松田さんには「何やってんだよお前……」と呆れられました。恥ずかしすぎるよ、こんちくしょう！


因みに、あの事件でやっぱり犯人を捕まえられなかったらしい。なんでも現場付近に不審者を発見し、何やら慌てた様子で車を降りたその人物を追跡したら逃れようとして事故死したのだ。しかしその後、解体しきった爆弾はタイマー表示の電源だけが起動して、相手が複数犯と判明したらしい。数日経ったある日のニュースでやっていた









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さてと、そんな後日談があった日から数ヶ月後。無事に中学二年生に進級出来た私は、ＧＷの休暇を使って長野県の諏訪湖で新ＣＭの撮影の為に一泊二日の旅行となった。朝からマネージャーと一緒に新幹線に乗って長野へ向かい、諏訪湖の施設に到着すると宿にチェックインを済ませた。その後、お昼の食事を摂って撮影現場になっている湖畔に行った



椎奈「Shinaです、よろしくお願いします！」


スタッフ「「お願いします！」」



撮影前に監督さんとスタッフさんに元気な声と笑顔で挨拶すると、彼らも緩んだ頬と大きな声で返してくれる。そして早速撮影に関して監督さんと話し合いが行われた。今回撮るのは自然環境の大事さを訴えるＣＭ。監督の指示は「景色を眺めながらゆっくり湖のそばを歩いてほしい」そうで、自然体に穏やかで楽しむ姿が撮りたいそうだ



スタッフ「それじゃあ撮影入ります！３、２、……」



１、と同時に「どうぞ」とその手で合図が出され、心地よい風が吹くたび靡く髪を押さえながら景色を見渡して大きく一歩を踏み出した。湖畔の周囲を覆う広大な山々、県内最大とされる波のない静かな湖……都会な地元には無い自然を見れて表情は自然と綻んだ


周囲のスタッフさん達や自分を撮っているカメラの存在も気にせず、じっくり景色を堪能しようと今を楽しんだ。するとカットがかかった時に物凄く短い間だった気がして、「夕方の景色も撮影しよう」と提案されて密かに喜んでいた