第1章 彼氏面 〜ハーツ編〜
デュース編
──優等生になれなくても、好きでいてくれるか…?
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「なぁ監督生、どうやったら優等生になれると思うか?」
『え?優等生?』
「そうだ。僕は優等生になりたいんだ!」
『えー、デュースがどんな優等生になりたいかによるかなぁ…』
「どんな優等生…?」
『例えば、リドル寮長見たいな頭が良くてすごい勉強が出来て、The・優等生ってかんじの優等生と、頭は悪いけど毎回真面目に授業を受けてる優等生って全然違うでしょ?』
「まぁ、そうだな…」
『そのどっちになりたいかによるかな』
「優等生になることしか眼中になかったから、どんな優等生になりたいのか考えてないな…」
『まぁ、後者だったらそのままでいいと思うけどね。』
「え?僕授業中寝たりしてるぞ?」
『でも寝ないように努力してるし、ノートもちゃんととってるじゃん?』
「寝ない努力?そんなのしてたか?」
『うん。ペンの先を手の甲につんつんして寝ないようにしてたじゃん』
「あー、寝ないようにって考えてたら勝手にやってたのかもな…」
『…デュースはそのままの方がいいよ。私はそっちの方がスキ。』
「なっ!?す、すすスキ!?」
『あ、ごめん、なんかスって出てきちゃった』
「…男相手に容易にす、スキなんて言うもんじゃないぞ?」
『別に誰にでも言ってるわけじゃないよ?相手がデュースだから言ってるだけ。』
「そ、それはつまり、監督生は僕のことを…ってことに、なるんだが、勘違いか…?」
『勘違いじゃないよ。』
「/////ブワッ」
『ふはっ、デュース顔真っ赤。』
「しょうが無いだろ!そん、そんな 急に好きなんて言われたら、誰だって…」
「照れるだろ…」
『へぇ〜?あのデュースクンも照れるんだ?』
「うるさい!って、いや、そうじゃなくて…」
『なに?』
「…監督生、ほんとに、僕なんかでいいのか?その、僕は馬鹿だし、優等生じゃないのに…」
『うん。私は今のデュースが好きだから。』
「…監督生は」
『?』
「監督生は、僕が優等生になれなくても、好きでいてくれるか…?」
『…もちろん。ずっと好きでいるよ。」
デュース編 [完]