第1章 彼氏面 〜ハーツ編〜
リドルくん編
─────好きだから。それは立派な理由だろう?
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『…え?お茶会に?』
「あぁ、トレイが君にお礼をしたいって」
『そんな!お礼なんて…それに、エースとデュース、あとグリムがいて解決できたことですし…』
「…そう言うと思って、あの二人とグリムはもう招待してある。それなら、君も来るだろう?」
『うっ…無駄に準備がいいですね…』
「無駄ではないよ。君を何でもない日のパーティーに招待しようとしてるのだって…」
『?』
「いや、なんでもないよ。さぁ、断る理由はもうないだろう?大人しくお礼を受けたらどうだい?」
『そう、ですね…分かりました、行きます!』
「そう来なくちゃ。さぁ、行こう、トレイがタルトを作って待ってる。今日はマスカットのタルトらしいから。」
何でもない日のパーティーに誘った理由、それは…
トレイやチェーニャ、お母様にも感じたことの無い不思議な気持ち。
勉強をしていても、クロッケーをしてても、ふわふわとして、上の空になってしまうのは
─────────好きだから。
どんなに考えても、これ以外の答えが出てこない。
オーバーブロットしてしまってから、トレイやケイトでさえも少し距離を感じてしまっていた。
…でも。君だけは、君だけはオーバーブロットする前と何ら変わりなく…なんなら、もっと友好的に接してくれた。
そして、いつのまにか目で追っていて、そして、好きだと気づいた。
僕がそう思ったなら、好きという気持ちも立派な理由になるだろう?
[完]