第11章 合宿1
「伊達に兄妹やってねぇからな」
そうか。
兄だからこそ分かることもあるのかもしれないな
「しっかし、氷帝から立海に来た時は驚いたけどな。さすがの俺でも」
「そうだろうな」
座っていた場所まで戻っていった侑吾を見ると
「アイツも随分たくましくなったものだ」
「そうだな。同じ東京にいたのに氷帝ではなく立海に入りたいと言って来た時は正直俺も驚いたが」
「うむ。それは俺とて同じことだ」
「しかし、あの跡部がほとんど使っていない別荘を貸してくるとは、何か考えがあるんじゃないのか?」
「恐らく、あの2人だ」
「2人?」
「あぁ。鈴と実夢だろう。
あの2人は氷帝の中等部に入っていたからな」
「それがまた何で立海に」
「跡部が今の監督だぞ?
マネージャーだろうが何だろうが欲しけりゃ入れる男だ。
それが嫌で、立海に来ただけだ。
当然俺にもコーチという名の名目で来て欲しいと言われていたがな」
「敵情視察にはなるだろうが、自分と対戦した相手と同じ学校にいるのはな」
「あぁ」