第11章 合宿1
PAに止まったバスで
弦ちゃんががあたしの方に来たと思ったら
「実夢」
「んー?」
「眠そうだな」
「うん。眠たい」
「全く。素直に寝ていればよかったものを」
「だって、一緒に起きてたかったんだもん」
「だもんじゃないだろう」
「まぁまぁ、真田。そう言わない」
そう言ったせーちゃんの手には冷たいドリンクが握られていて
「精市」
「あぁ。いいよ」
「んー?」
「精市の所で寝て来い」
そう言って強制的にせーちゃんの横に座らせられたあたしも
皆が帰ってくるころには、せーちゃんの隣で寝てしまった
~蓮二side~
「こうしてると、まだまだ、子供なんじゃな」
「そうだな。仁王だってくるみもしずくだっているじゃないか」
「あいつ等は可愛いというよりも我儘の塊が2人いるようなもんじゃ」
我儘の塊か
この2人からはそんなの聞いたことがないな。
侑吾は、テニスが上手くなりたいからと
中学から立海に入っているが
「親父」
「どうした」
「何?あの2人。寝ちゃったわけ?」
「あぁ。あの2人に今日ちゃんと寝ろという方が無理だろう」
「まぁ、そうだよな。鈴も丸井君好きだし、
実夢は監督が好きだし」
「良く分かっているな」