第10章 プレイスタイル
「あの2人もダブルスくらいはできるようになっててもらわないといけないからね」
「そんなもんなんだ?」
「あぁ。一応言っておくけど、俺達の代は
誰と組んでも、皆ダブルスが出来るからね?」
「はい!?」
そんなこと聞いたことない
「ふふ。言ったことないからね。
あ、赤也も当然ダブルス出来るからね。あいつはアイツで
蓮二や真田と組ませてたしね」
「へぇ」
そうなんだ
「でも、侑吾もダブルス、行けそうだと思うけど
蓮二はそうは思ってないみたいだね」
「どう言うこと?」
「蓮二の方を見てごらん」
せーちゃんの言うお父さんの方を向くと
お兄ちゃんばかりが打たされているような気がする
「あれは、蓮二の奴ダブルスでは行けないと思っている顔だよ」
そうなんだ
あたりが暗くなってきたころ
「練習、終了!」
そう言ったせーちゃん
「今日の練習もきつかったなぁ」
「だよなぁ」
「でも、これで実力がつくとは思わねぇけどな」
そう言った部員たちの声は
きっとせーちゃんたちに聞こえている
「今の子は思っている言葉が素直に出てくるみたいだね」
「だな」
「あぁ」
「お前たちも着替えて来い」
「「はぁい」」