第7章 監督とコーチ
「だろうね」
「どういう」
「いずれ分かる」
「では、ラケットを持っているね」
え?
「せーちゃん?」
「ふふ。大丈夫だよ」
そう言ったせーちゃんの手にはラケットが握られていて
当然、お父さんやブンちゃんの手にもラケットが握られている
「こーしてると、いつもの打ち合いにしか見えない」
「確かに」
「では、1人5球ずつ打ち返してこようか」
「は?」
「ただし、球を拾えなかったら、そこで交代だ」
なるほど。
だけど、見事に全員、5球どころじゃなく
1球も返せないで終わってしまった
「何だよ。これじゃつまらねぇじゃねぇか」
そう言ったブン太に
「じゃあ、練習を見せようか」
そう言ったせーちゃん