第6章 机の落書き
「だって、あんた達だってそうじゃん。
あの仁王雅治の娘でしょ?お父さんと同じ年だし
18であのお兄さんの父親になったって事でしょ」
「あーまぁ。そう言うことだね」
「嘘・・・」
「仁王、ってそんな有名な人の娘なの?」
クラスの人間も気づいていないわけだ。
「仁王雅治。35歳。元立海テニス部。その時代では、
コート上の詐欺(ペテン)師とも呼ばれ
立海では、最も立海で恐ろしい男とも、悪魔をも騙せる男とも呼ばれていた」
「は?」
「しかも、ダブルスでは、立海大付属中学にいるあの柳生比呂士と、ダブルスを組んでいた男でもある」
「「マジ!?」」
「なんで、そんな事」
「分かるのかって?だって、この間写真見ていたもの。
ぜーんぶお父さんの受け売り」
「うわ。最悪」
「ふふ」
「何よ?」
だってねぇ
「お父さんのデータ、取らせてくれないもの。
だけど、お父さんも両方できるのは知っているでしょう?
それと同時進行で解説もコメンテーターもしてさ
それに比べたらよっぽどいいと思わない?
データを取らせてくれない親よりもいやすいと思うけど」
「それでも怖いわ」