第6章 机の落書き
「でも、せーちゃんだけじゃなさそうだけどね
コーチで来るのは」
そう言った実夢の言葉に
「なんだ、そこまで分かっているのか」
と言った、テニス部OB
「まぁ、放課後のお楽しみに取っておきなよ。実夢」
「えー」
「じゃあまた、放課後に。俺達は用意もあるからね」
ガットの張替えとかなんでしょ?
「分かった」
「あ、鈴」
「なーに?」
「ドリンクの用意、頼むな」
「はぁい」
お父さんの言葉に返事をすると
「親子の会話か?」
「部員とマネージャーの会話にしか聞こえなかったぞ」
「確かに」
そう言ったクラスの声に苦笑いを浮かべるしかなかった
「ねぇ、どういう」
「何が?」
「柳って、あの柳蓮二でしょ?シングルスもダブルスも出来る」
「あ、うん。そう」
「そんな人がお父さんなの!?だって、まだ若いじゃん」
「そりゃ、ねぇ」
若いに決まってるじゃん。
「お父さんが20歳(ハタチ)の時の子供だもん。あたし達」
「「は?」」