第1章 入学
「あたしたちは構いませんよ」
「ついでに言うなら、委員会も生徒会にも部活にも入る気ないんで。あたし達」
「は?」
そう言って固まったクラスの人間
「帰ろ。どうせ、下に車止めて待ってるんだから」
「そうだね」
2人で席を立って、下に降りると
楽しそうに話している両親と
「まーくん?」
「こら。ちゃんと挨拶をしないか。
すまないな、"仁王"」
「いや。構わんぜよ」
ん?今
「お父さん、仁王って言った?」
「あぁ。それがどうかしたのか」
「同じクラスにいるんだよ。
仁王って名字の女の子2人」
「ほぉ。お前さんたちと同じクラスか」
「へ?」
「アイツらと仲良くしてくれナリ」
は?
学校が終わったのかゾクゾクと出てきた生徒の中に
いたのはさっきの仁王双子姉妹
「あれ?まだいたの?」
「いちゃいかんのか」
あたし達の存在に気付いたのか
「名前も言わないで出て行ったのがまだここにいるんだ?」