第1章 入学
教師が入って来たと思ったら
体育館に行くようにと言われたために
行かなくちゃ行けなくて
入学式なんて、どこも同じでしょ。
そう思っていたのに
答辞を読んだら、あっけらかんとしている同級生たち。
後ろには両親の姿も見える
「いた?お父さんたち」
「いる。しっかりと」
「良かったね?サボらなくて」
「ほんとだよ」
入学式を終えてクラスに帰ると
「じゃあ、自己紹介していこうか」
そう言って、順番に行っていると
「仁王くるみ」
「仁王しずく」
へぇ、あの二人は双子か。
しかもあたしたちと同じ
最後の方になり
「柳」
「え?下の名前を」
「言わないし、教えるつもりもない」
「呼びにくいなぁ」
「なら、柳姉。と妹でいいんじゃないですか」
そう言った仁王姉妹
「そういうわけにも」