第6章 机の落書き
「よぉ」
あそこから走ってきた割りに息も切れてないし、汗もかいていないところを見るとさすがだと思うしかない
「鈴。実夢」
「えへへ」
ブンちゃんに抱き着くと、いつもの甘い匂いがしていて
「えへへ。じゃねぇだろぃ。あんな写真、柳から送られてきたらビビるだろうがよぃ」
「うーん。だって、今日やられてたんだもん」
「だもん。じゃねぇだろ」
「ジャッカル!」
「ったく」
「で?誰がやったんだよぃ?」
「まさか、仁王の」
「違うよ。あの2人はそんなことしないでしょ。
しかも、昨日セーちゃんと一緒に帰ってくるところも、
お父さんにも出くわしてるんだよ?昨日の今日で、それが出来ると思う?」
「だよな」
「うむ。しかし、これでは勉学に励むどころではないだろう」
「弦ちゃん・・・?」
「これはまた」
「比呂くん」
「また随分なやられようだな。鈴、実夢」
「「お父さんっ」」
そう言った瞬間、クラスの人間が固まったのが分かった。