第1章 入学
「まぁ、それは実夢がお父さんに
「似ちゃったから仕方がない。そう言いたいんでしょ」
「ご名答。ますますお父さんに似て来たよね」
「嬉しくない」
「そんなこと言わないの」
そう言って席に座ったあたしたちをまじまじと見ている
クラスの人間
「可愛いじゃん」
「は?」
「誰」
「俺?浦山奏多(ウラヤマカナタ)一応
中学からテニス部入ってるんだ」
へぇ。
テニス部。意外だわ
「あんた達が例の外部入学?」
「そうだけど、あんた達、誰」
「人に名前を名乗るのなら
自分からでしょ」
「あ、そう」
めんどくさいのに捕まった気分
「"柳"」
「は?」
「下の名前を教えるほど親しくもないでしょ」