第2章 先輩
「断るって分かってるから
俺が連れて行くんだろ」
「いやいや。それが嫌なんですって」
しかし、この男はそうはいかないであろう
がしっと掴まれた右腕が痛い
「何するんですか」
「んー?こうしてでも連れて行かないと
アイツ(悠翔)に俺が殺されそうだしな」
アイツ?
「ここだ」
連れて来られたのは、先ほど言っていた
テニスコート
「何で、テニスコート・・・」
「俺がお前を連れてくるように言ったからだよ」
はい?
後ろを振り向くと、昼間の男の人で
「これ(学生証)お前のだろ?
柳鈴ちゃん?」
うぇ
「返してもらえますか?"先輩"」
「イヤダ。と言ったら」
「じゃあいいです。再発行してもらうんで」
「へぇ」
実夢も、そろそろ帰る頃合いだし
時計を見ると、18時
「じゃ、帰りますので」
「なぁ」