第12章 受け継ぐもの

　


side.三ツ谷隆





名前はやっぱりバイクのことになると、いい顔すんな。



俺の知らねえ事が、まだまだあるって思い知った。





「名前。原付。マジでいいのかよ？」

「だって隆の隊なんでしょ？」

「まあ、俺が仕切ってる隊だけどさ…」

「なら可愛がるの普通じゃないの？」





うん。

お前は、そう言うけどけどさ。

マジでありがとな。


俺らが場地のことで、気ぃ立ってる時に。

こういうことされっと、すげぇ和む。





「名前。ありがとな」

「いいよ。タケミっちは免許持ってんの？」

「持ってます」

「そっか。じゃあ地図書いてあげるから、今度の休みにでも迎えに行ってあげな」

「はいっス」





タケミっちもすげぇ嬉しそうだし。

まあいっか。





「なあ？名前。俺には？」

「えっ？」

「俺にも何かちょーだい」

「マイキーは隆の隊じゃないじゃん」

「それでも欲しいの！」

「おい。名前を困らすんじゃぇよ」





ったく、マイキーは我儘だな。





「えー。何もないし」

「マイキー諦めろ」





ドラケンがマイキーを窘めた。