【東京リベ】Break down【三ツ谷隆】【ドラケン】
第10章 マイキーという男
「何か聞いてたのと違ぇんだよな」
「えっ?私、空手有段者じゃないんだし、こんなもんじゃない?あくまで正当防衛というか…」
「でも、抗争の時は、もっとアクロバットな感じだったな」
ドラケンも首を傾げる。
ああ。そういう事ね。
「あれは本気でやらないと、こっちが怪我するから。できない」
「いいよ。俺打たれ強いし。お前の蹴りなんて軽っしょ」
「うん。軽いから、お兄さんなら大丈夫だと思うけど。エマと隆の大切な人にやるのヤダな…」
「俺が蹴られたいの♡」
「ふはっ」
マイキーという男の発言に、思わず笑ってしまう。
「わかった。いいよ」
「おう」
回転をするようなステップに切り替える。
とりあえず前蹴り、横蹴り、回し蹴りを1回ずつ。
よし。
いけるかな?
「いくよ?」
「おう!」
エマのお兄さんの顎を狙って、普通に前からターン蹴り。
えっ?
避けんの?
仕方ないから、足は回転させながらバックで720度。
これも腕でガードされる。
次は下段から1、2、3回の回し蹴りをした。