【東京リベ】Break down【三ツ谷隆】【ドラケン】
第9章 守るべきもの
どう見てもドラケンって男の方が強面だけど。
私はエマのお兄さんの方が怖い。
「なあ?俺と勝負しない?」
「えっ?」
何の?
首を傾げると、エマが間に割って入る。
「ちょっとマイキー!そういう事なら帰って!」
「隆。そういう事って、どういう事?」
お兄さんの言ってることも、エマが怒ってる理由もも分からない。
「あー。名前とタイマンはりてぇって事なんじゃねぇ?」
「えっ?普通にヤダよ」
「ほら。こいつもこう言ってるし。帰るぞ、マイキー」
驚いた。
だってエマのお兄さんって、めっちゃ強いんでしょ?
普通に怖いもん。
嫌に決まってる。
「ヤダね!だって俺だけお前の蹴り見てねぇし!見ないと帰らねぇ!」
「私の蹴りって…ヤダよ。スカートだし…」
エマのお兄さんって怖いんだか、子供っぽいんだか。
よく分かんない。
「はあ…ドラケン。マイキー連れて帰れよ」
隆は私を抱き寄せるとシッシッと追い払う。
「…エマのお兄さん。ごめん。私、勝負とか無理」
「何で?」
「この力は守るために使うの。勝負するためじゃない」
真っ直ぐ目を見て断った。
だって、お父さんにそう教わったの。