【東京リベ】Break down【三ツ谷隆】【ドラケン】
第7章 Break down
side.三ツ谷隆
名前には心の拠り所が必要なんだと思う。
そんな寂しさ。
一人で背負うもんじゃねぇよ。
骨が軋むんじゃねえかと思うほど、強く名前を抱き締めた。
「なあ?俺。思うんだけど」
「………何?」
「お前の親父さんの単車が、俺達を引き合わせたんじゃねぇの?」
「………何で?」
「名前のこと任せたぞ!ってさ」
「ふはっ!何それ?」
泣き笑いをする名前。
「ほら。頭洗ってやるよ」
名前を抱えて風呂からあがる。
椅子に座らせて、頭にお湯をぶっかけた。
「目閉じてろよ?泡が目に入ったら痛ぇぞ」
「うう…あんまり、頭揺らさないで…」
「ああ。悪ぃ、悪ぃ。痒いとこないか?」
「ない」
不機嫌な名前は見なかったことにして、俺は全身を洗ってやる。
「俺、妹たちで慣れてっから」
「そっか」
ほらな。
こうやってお前を甘やかすのが俺の役目。
名前を俺に託したんだと思いてぇよ。
身体だけじゃなくてさ。
お前の心も全部、俺にくれよ。