第7章 Break down

　


side.三ツ谷隆





「何かって言われても…」





すげぇ考え込む名前に疑問を抱く。



そんなに難しいこと？

それとも…




「なあ？そんなに自分のこと話すの嫌？」

「…そういうわけじゃなくて…」





俺、正直さ。

お前に好かれてると思えねぇよ。



彼氏になったし。

好きって言われたし。

今日はセックスまでしたけど、未だに壁感じるよ。





「隆はさ…私の何を知りたいの？」

「えっ？」





何って、全部だよ。

お前のことなら全部知りてぇ。





「例えば好きな食べ物とかさ…色々あんじゃん」

「………私さ、人付き合いが苦手なの」

「それは知ってる」

「今まで、自分のこと人に話す機会なかったし。だから…そういうの…良く分かんない」

「マジ？」





そんな基本的なところから躓いてんの？

お前、そんなんでよくセックスできたな。





「特技っていうか、好きなのはバイク」

「それも知ってる」

「勉強も得意だけど、それはお母さんが頭いいからで…なんとなく習慣なのかな？」

「ああ。母ちゃん、カナダだっけ？」

「うん」





名前が美人だから。

きっとすげぇ母ちゃんなんだろうな。