【東京リベ】Break down【三ツ谷隆】【ドラケン】
第6章 心
side.三ツ谷隆
名前に好きと言われて驚いた。
だってお前は、いつだって口が悪くて、不器用で、凶暴で。
今日みたいに風邪をひいても、人を頼ることができないくせに。
「それ…本気で言ってる?」
「………もういい…」
「良くねぇよ」
「………だって隆は…私の大切な…人…だもん…」
あーあ。
泣かせちった。
お前、可愛気ないのに。
何でこんなに可愛いんだよ。
ずりぃよ。
好きなんて言われたら、一生手離せねぇじゃん。
「好きだ。名前が好きだ。好きだよ」
骨が折れんじゃねぇかってくらい。
きつく名前を抱きしめる。
そんでもって、すげぇ甘いキスをした。
このままお前と溶け合いてぇよ。
「なあ?名前は俺のどこが好きなの?」
「………言わない…」
言わない?
お前は言えねぇだけだろ?
プイッとそっぽを向く仕草すら、今は愛おしい。
「気が向いたら聞かせてな」
頬にキスをして、服を着る。
ベッドを出ようとすると、服をきゅっと掴まれた。