【東京リベ】Break down【三ツ谷隆】【ドラケン】
第3章 抗争
タケミっちやドラケンを救急車に乗せて。
どうにか搬送まで漕ぎ付けた。
「はぁっ…」
一気に疲労が襲ってくる。
エマは大丈夫かな?
隆は?
「名前っ!」
「…隆…」
「ドラケンは?」
「重症だよ」
バイクの鍵を隆に渡す。
「行ってあげな」
「えっ?でも名前は?」
「私は無傷だし。大丈夫。関係ないし」
「何言ってんだよ。関係ないわけないだろ」
私の肩に触れようとする、
隆の手を振り払う。
「関係ないのっ!」
隆の顔を見ずに大声を張り上げる。
「…もう…私に関わんないで…」
「はっ?意味分かんねえよっ!」
「あんたに大切な人がいればいる程。私の心が傷つくの。だからバイバイ」
私の人間関係と感情は凄くシンプルで。
好きな人、嫌いな人、あとは無関心。
嫌いな人は滅多にいない。
同時に好きな人も。
好きな人は心にスッと入ってくるエマみたいな子。
大事だから必死で守る。
エマの大事な人を守るのは、エマが悲しまないように。
私は好きな人以外、どうでもいいの。
でも隆はダメ。
今回のことで気づいた。
隆には大事な人が多すぎる。
隆の大事な人まで守ってられない。
そんな許容スペース。
私の心にはないの。
自分とエマとエマの大事な人を守ることで精一杯。
だから隆はいらない。