【東京リベ】Break down【三ツ谷隆】【ドラケン】
第3章 抗争
「あー…頭痛え」
「ケンちゃんっ!血が…血が出てるっ!」
「エマ。冷静に。深呼吸して」
エマの手を掴んで、一緒に息を吸って吐く。
「大丈夫?」
「うん」
「じゃあ救急車呼んで」
「分かった」
エマが電話をしたのを見て、私は自分の着ているTシャツの端をビリッと破く。
バットで殴られたという患部を探して、そこに押し当てた。
「痛ってぇ!」
「えーと、ドラケンだっけ?止血するから動かないで」
「つーかお前、誰?」
「エマと隆の友達」
「ふーん」
最近の暴走族は、凶器で人を殴るわけ?
エマの言う通り卑怯だね。
ってか、隆も隆だよ。
仲間が頭から血を流してんのに。
ケンカの方が大事なわけ?
「はぁっ…」
呆れて何も言えない。
「名前。ありがとう。電話できた」
「じゃあ、ここに傷あるから優しく抑えてて」
「分かった。名前は?」
「仕方ないから、加勢してくる」
隆とタケミっちの2人だけじゃ。
この人数、捌き切れないしね。
私が準備体操をしていると、バイクの音が聞こえた。