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【東京リベ】Break down【三ツ谷隆】【ドラケン】

第21章 隆のために


 


下を噛んだのか、唇から血を流す羽宮。



これで無力化に出来たかな?


これ以上やったら過剰防衛になっちゃうし。



私は羽宮の髪を引っ張って、容赦なく平手を食らわせる。





「羽宮、聞きたいんだけど。場地圭介、マイキーやドラケン、隆はあんたの敵なの?」

「敵…だよ…」





もう一度、叩く。





「違うって分かってんでしょ。あんたが佐野真一郎を殺したの。あんたの意思で。マイキーのせいじゃない」

「違う…アイツのせいだ」





私はあんたの目が覚めるまで、何度でも叩くよ。





「場地圭介はあんたの仲間だよ。あんたの居場所は東卍だよ」

「違うっ!」





何で分かんないの?

場地圭介くんが、どれだけあんたを思ってるか。

その場地圭介くんを隆が、どれだけ大切に思ってるか。





「あんたは自己防衛してるだけだよ。大切な人から目を反らさないで。お願いだから目を覚ましてよっ!」

「名前!やめろっ!」





振り上げた手をパシッと止められる。

見上げるとマイキーが私の腕を掴んでいた。





「血。出てんじゃねえか」

「知ってる」

「一虎。もう一度聞く。俺はお前の敵か?」

「敵…だ」

「違う。ダチだ」





マイキーがきっぱりと言い放つ。





「一虎。俺らはダチだろ?」

「敵じゃないなら…どうして…俺は…」





羽宮は涙をボロボロと流し始めた。


 
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