【東京リベ】Break down【三ツ谷隆】【ドラケン】
第21章 隆のために
「あんた。2回も人を殺すつもり?」
「は?お前。誰?」
「あんたの不幸な生い立ちなんか知らない。そんなんで、人の命奪うんじゃねぇよ」
「テメ―には関係ねえだろっ!」
羽宮に殴られそうになるけど。
私はLow蹴りで対抗する。
男より手足のリーチが短い分や、力が弱い分は。
カウンターでカバーすることが多い。
生憎だけど、私は父以外に負けたことがないの。
何でも努力と根性で何とかしてきた。
「関係あるよ。あんたの事、すごく気にかけてんだから」
「何で?俺、お前のことなんか知んねえよ?」
「幼少期に父親に虐待されて、母親からどちらか選べって言われてんでしょ?」
「っ!何で…お前そんなこと知ってんだよ…」
「マイキーに救われたあんたが、何で佐野真一郎を殺したのかも知ってる」
「黙れっ!」
カッとなった男は本当に分かりやすい。
力任せに殴りかかってくる羽宮の足を掬うように蹴って、躓かせる。
グシャッと前のめりに倒れて、這い上がろうしたところを。
容赦なくかかと落としでねじ伏せた。