【東京リベ】Break down【三ツ谷隆】【ドラケン】
第21章 隆のために
何だかややこしい事になってるけど。
私の目的は場地圭介を守ることだ。
すると、どこからともなく現れたタケミっちが。
場地圭介にタックルをかます。
「場地くんを守るんだ!千冬!」
そして彼の行く手を阻むように抑え込んだ。
「一緒に場地くん、止めんぞ!」
でかした!
タケミっち!
私ももうすぐ下りるから。
それまで堪えて。
急いで下に下りると、羽宮一虎が視界に入る。
危ないっ!
私は咄嗟に場地圭介を庇っていて。
気づけば、ガードした腕にナイフが刺さっていた。
「いっ…たぁ!」
貫通はしてないけれど。
思いのほか深く刺さってしまう。
「えっ!?」
「名前さんっ!」
「えっ!?名前っ!?」
「えっ!?何で!?」
私、さっきからいたんだけど。
これだけ男が揃ってれば、小さくて見えないか。
驚く面々は放っておいて、私はナイフを引き抜く。
羽宮一虎も呆気に取られているようだし。
今の内に。
私は地面に手を着くと、羽宮の顎を思いっきり蹴り飛ばした。
「羽宮。あんたの相手は私だよ」
よろける羽宮。
うん。
そう簡単には倒れてくんないよね。
片腕は、使いもんになんないけど。
負けるわけにはいかない。