第21章 隆のために

　


「マイキー。大丈夫？って、大丈夫じゃないか…」





何だか知らないけど。

芭流覇羅の奴らが、わらわらとこっちに向かって来てる。



マイキー。

大将だし、当たり前か。



どうしよう。



うーん…と悩んでいると。

黒の特攻服の男が芭流覇羅を蹴散らした。





「東京卍曾、参番隊隊長、稀咲鉄太。大将はうちの隊が責任持って守らせてもらう！」





ん？

コイツがエマを殺した稀咲？



今すぐぶっ殺したい衝動を抑えて、マイキーに近寄る。


しかし“ゾクッ”と殺気を感じた私は。

反射的にマイキーを抱きしめて縮こまった。





「この時を待ってたぜ！稀咲！」





次の瞬間、稀咲鉄太は長髪の男に“ガコンッ”と鉄パイプで殴られる。





「場地くん！」





タケミっちの声がして、下を見るとタケミっちもこっちを見ていた。



えっ？

じゃあ、この子が場地圭介？



もう何が何だか。

やっぱり少年犯罪の陳述書じゃ、全貌は見えない。



そういえば、肝心の羽宮は？

場地圭介を背後から刺すんだよね？



私はまた車を一段一段降りて、場地圭介の元へ行く。


すると今度はまた知らない男の子が場地圭介の前に立ちはだかった。