【東京リベ】Break down【三ツ谷隆】【ドラケン】
第20章 野菊の墓
「私は当時。身ごもっており、抗争に関わらないようにしました。結果、場地圭介が死に、少年だった彼らの心には大きな傷ができました」
「そうですね」
「私はそれを防ぎたいと思っています」
直人さんは真剣に私の話を聞いてくれる。
「私も過去へ行きたいと思っているのですが。可能ですか?」
「そればっかりは…正直、分かりません。僕も武道くんも姉を強く助けたいと願っています。その願いが大切のようです」
「武道くんとはいつもどのようにされているんですか?」
「ただ握手をするだけです」
「では私も強く願っている人と握手をすれば可能かもしれないんですね」
「過去へ行く気ですか?」
「はい」
私は笑顔で答えた。
もう心は決まってる。
「大丈夫です。私には過去でも夫がついていますから」
「では僕と握手をしてみましょう」
「えっと、今ですか?」
「ああ。そうか。名前さんは10月31日に行きたいんですよね」
「はい。なので待っていて下さい」
「行けるかどうかは、分かりませんよ?」
「大丈夫です」
相談にのってくれた直人くんに挨拶して、私は家に帰った。