【東京リベ】Break down【三ツ谷隆】【ドラケン】
第20章 野菊の墓
仕事を終えて、タケミっちに教えて貰った住所へ行く。
「ここか…」
“ピンポーン”とインターフォンを押すと、中から利発そうな青年が顔を出す。
とてもタケミっちの後輩とは思えない落ち着きぶり。
「こんにちは。私は三ツ谷名前と申します」
「ああ。タケミチくんのお知り合いの弁護士さんですね?」
「はい。同時にヒナちゃんの顔見知りでした。この度はご愁傷さまでした」
「姉の知り合いでもあったんですね。どうぞ中へお入り下さい」
「ありがとうございます」
23歳にしては本当に落ち着いている。
タケミっちが幼すぎるのかな?
「早速、本題なのですが、私としては友人の佐野エマを救いたいと思っています。あと私の夫の友人である場地圭介さんも」
「佐野万次郎をご存じで?」
「ええ。友人です」
「僕が思うに、彼の行動が激化した原因は、彼の友人や腹違いの妹さんの死が原因だと思っています」
「そうですか」
私はマイキーを語るには、あまりにも彼を知らないことに気がついた。
ただ未だにマイキーは癇癪持ちの子供のような気がする。
私はそんな彼の奔放さを。
あの日、怖いと感じたのかもしれない。