【東京リベ】Break down【三ツ谷隆】【ドラケン】
第15章 Never say good bye
side.三ツ谷隆
有言実行の名前が日本に帰ってきた。
でも簡単に会うわけにはいかなくて。
俺にはそれなりの覚悟が必要だった。
8月3日。
天王洲の近くにバイクを止めて名前を待つ。
ここは俺と名前の思い出の場所。
お前、覚えてる?
今日は1年前。
俺らが付き合うきっかけになった日なんだけど。
“ヴォンッ”
懐かしい名前のバイクの排気音が聞こえた。
なんかさ。
もうそれだけで泣きそうになるんだよな。
名前は単車を止めるとメットを外す。
滴る汗をTシャツの襟で拭った。
その癖も変わってねぇな。
「名前」
名前を呼んで両腕を広げる。
「ただいま」
名前は勢いよく俺の胸に飛び込んできた。
ふわりと香る、懐かしい匂い。
やっと帰ってきたんだな。
夢じゃねえよな?
「おかえり」
名前を抱き上げてキスをする。
「何で泣いてんの?」
「嬉し泣きだ。バカヤロー」
「ふはっ。泣き虫」
「うっせぇよ!」
名前にまた会えて、触れられるのを。
どれほど夢みたか。